こんばんは!ここへ来てビンディングペダルの深淵へと深く深く潜りたくなって参りました。ルックのペダルが気になルック。不肖、稲垣でございます。

突如始まり、ひっそりとまったりと自転車選びが楽しくなる小ネタの数々を語らせて頂いておりました、本ブログのビギナーさん応援企画でございます。ジオメトリの話→フレーム素材の話→コンポーネントセットの話ときて、今回でひとつの区切りを迎えます。

というのも、今日の小ネタはさほどビギナーさん向けの話題でもありません。自転車の機材を見る目が変わる情報ではございますが、2台目の自転車をお探しの方に活用してもらえるネタではなかろうかと思います。なので、コンポーネントセットのそもそも論のオマケというスタンスでお付き合い下さい。

そうです、小ネタと言いつつ毎度長文になり恐縮です。今日のお題は「コンポ3大ブランド」の一角、イタリアのカンパニョーロのお話です。個性溢れるその特徴と他のメーカーにはない利点などをお話致します。よろしくどうぞ。

自転車競技界屈指の策士が表紙を飾るカンパニョーロの総合カタログ プロチーム「モビスター」はその前身の時代からカンパニョーロの機材を使用する
カタログ









① 「カンパニョーロってどんなメーカーなの?」

いきなりの余談になりますが、自転車メーカーと自転車屋さんの歴史に立ち返ると、そのルーツはイタリアにあります。世界初の商業化に成功した自転車メーカーもチャリ屋さんもイタリア人でした。そのあたりはマルゲリータ王妃専属チャリ屋さんのブランドヒストリーになるのですが、チャンスがあればまたの機会にお話し致します…。

カンパニョーロはそんなイタリアの世界遺産の街ヴィチェンツァにある自転車部品メーカーです。ロードバイクのコンポーネントセットや完組ホイールを作り続けて80年になる老舗で、自転車業界における最も歴史と伝統を持ったメーカーのひとつです。現在、日本のシマノアメリカのスラムと並ぶコンポ―ネントセットの最大手となっております。略して「カンパ」と呼ばれることもあります。

カンパニョーロのクランクセット アテナカーボン 古風なデザインだがこの「手作り感」もファンを魅了する 
古風なクランクセット







② 「カンパニョーロ製品にはどんな特徴があるの?」

カンパニョーロへの定評のひとつに「使用感」にこだわった機材というものがあります。実際に使ってみて分かる感触や操作感覚の事で、コンポーネントセットの数値化できない性能になります。カンパニョーロのコンポーネントセットはその「使用感」の良さを追求した機材と言われています。ロードバイク愛好家が実際にロードバイクで走りながら設計したかのような造形、それがカンパニョーロ製品の最大の特徴です。

特に顕著なのがエルゴパワーと呼ばれる独自の変速機構を備えたデュアルコントロールレバーです。

カンパニョーロのエルゴパワー キワどくカーブしたブレーキレバーが秀逸な操作性と制動力を発揮する
エルゴパワー

シマノのSTIレバー こちらはシンプルな造形 見比べると特徴が分かる
デュラ









このエルゴパワーは握りやすさに特化してデザインされたデュアルコントロールレバーでシマノやスラムの製品よりもひとまわり小さく作られています。また、絶妙に湾曲したブレーキレバーのお陰で指先での操作にもてこの原理が働き、ブレーキの制動力と操作性を向上させています。

また、ウルトラシフトと呼ばれる独自の変速機構が組み込まれており、こちらも特徴的な機能を備えています。

ウルトラシフト・システムの図 ブレーキレバーとシフトレバーが独立していて変速時にブレーキレバーに触る必要がない
変速機構









このウルトラシフトではブレーキレバーとシフトレバーが完全に独立しています。変速操作の際、ブレーキレバーの後ろ側にある大きい方のシフトレバーとブレーキレバーの横にある小さい方のシフトレバーを操作して変速します。STIレバーのようなブーキレバー兼用シフトレバーにはなっていないので、変速時にはブレーキレバーに触りません。実はエルゴパワー内部の機構も独立していて、故障の際にはウルトラシフト部分だけを交換できます。シマノ製品に比べると万一の故障の際の修理が簡単で安価に収まるというメリットがこの機構にはあります。

また、実際の変速動作にもカンパニョーロ独自の「使用感へのこだわり」が仕掛けられています。シマノやスラムの変速機構に比べるとやや緩慢な速度で変速します。自転車に乗る人間の感覚よりも速く変速させないことでギアポジションを把握しやすくし、機械的ではなく生物的な感覚で変速動作ができます。

堅実なブレーキと人間臭い変速、そうしたどこか鈍くさいのに味がある使用感に魅了されるサイクリストも多い様です。

スケルトンブレーキと呼ばれるカンパニョーロのキャリパーブレーキ 秀逸なブレーキ剛性を持ちエルゴパワーとのセットは鬼に金棒
スケルトンブレーキ









カンパニョーロのもう一つの特徴としては完組ホイール製作へのこだわりがあります。同様の仕事としてはシマノの完組ホイールも大変に有名ですが、カンパニョーロも負けず劣らずのホイール作りを展開しています。

「G3ジオメトリ」と呼ばれる特徴的なスポークの編み方や、セラミックベアリングを採用したハブ、流行のカーボンディープリムなど、名品の多士済済。走り方や予算に応じて様々なホイールが選べます。

シマノのコンポを使っているけれど、カンパのホイールを付けちゃった…というサイクリストも一定数いる様です。

カンパニョーロのアルミホイールの最高峰 シャマル・ウルトラ 軽さ、剛性、快適性において高いトータルバランスを発揮し絶大な人気を誇る
G3ジオメトリ









③ 「カンパニョーロのグレード分けはどうなってるの?」

カンパニョーロのコンポーネントセットのグレード分けは以下のようになっています。

2016年型 カンパニョーロ コンポーネントセット(価格順)

スーパーレコード(プロ競技向け) 参考価格356,000円税込
       ↑  
レコード(高級競技向け) 参考価格282,000円税込
       ↑
コーラス(廉価版競技向け) 参考価格192,000円税込
       ↑
アテナ(高級普及モデル) 参考価格140,000円税込
       ↑
ベローチェ(廉価版普及モデル) 参考価格85,000円税込


グレード毎の違いはシマノと同様です。精度、耐久性、軽さが価格に応じて強化されていきます。しかしながら、エルゴパワー内部のウルトラシフト・システムがコーラスより上級の3種で共通だったり、コーラスとアテナはチェーンとカセットスプロケットが共通だったり…、グレードまたぎの組み合わせがやり易い仕様になっています。

例えば、普及モデルのアテナを基本とし、性能が欲しいパーツだけを上のグレードの物に差し替えるといった混合セット化も可能です。

また流行の電動変速コンポーネントセットとして、スーパーレコードEPS、レコードEPS、コーラスEPSが実装されています。


④ 「ぶっちゃけた話、カンパニョーロのパーツを使うメリットとデメリットは?」

メリットはやはりエルゴパワーの使いやすさと、それに付随するブレーキ機構と変速機構です。サイクリストがサイクリストのために作ったコンポーネントセット、そこがカンパニョーロの魅力であり強みです。ここまで「人が主役」のロードバイク部品というのも珍しいと思います。

シマノ製品が圧倒的技術力で「乗り手の背中を押してくれる機材」であるならば、カンパニョーロ製品はサイクリストのノウハウとイタリアらしいセンスで「乗り手に寄り添ってくれる機材」と言えるでしょう。

コンポーネントセットのミソは「選べる楽しさ」です。カンパニョーロ製品は「ひとつの選択肢」としての魅力を十分に持っています。

また、競技用機材として見た際の武器として軽さ、耐久消費財として見た際の武器として、消耗部品の耐久力が挙げられます。詳細は割愛しますが、競技向けモデルのコーラスより上の製品は徹底した軽量化と耐久力強化が図られており、自転車競技の現場での即戦力として機能します。

デメリットがあるとしたら、それは価格です。高級ブランド化を目指した経営戦略により、カンパニョーロは徹底した「高性能で高価格」の物作りを展開しています。廉価版競技モデルのコーラス(実質上のミドルグレード)でシマノの機械式デュラエースとほぼ同じ値段…。それをどう思うかはサイクリストの数だけ答えがあります。

カンパニョーロで組まれた完成車の一例 オーナーにカンパを選んだ理由を聞いたところ、答えは「エルゴパワーが好きすぎて…♪」
カンパニョーロ完成車










以上、またも長文にお付き合い頂きありがとうございました。ロードバイクの世界には色んな個性的な機材がございます。カンパニョーロっていう面白いイタリアのキワモノがあるんです。本日、不肖、私がお伝えしたかった事はそれに尽きます。ここにお集まりの皆様にロードバイク部品の「選べる楽しさ」が伝われば、それが一番ありがたい事です。

さて、突如始まりここまで来てしまったビギナーさん応援企画ですが、次回以降はやや不定期に、「面白そうなネタ」を見つけたタイミングでお届け致します。本ブログのタグ、「ビギナーさんに耳より情報」をよろしくお願い致します。

個人的な未来予想図としては…ビンディングペダルの話が来そうな気がしています。


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2016.03.01 | ビギナーさんに耳より情報 | トラックバック(0) | コメント(0) |

おはようございます!ひっそりとまったりと、あのサイクリストの祭典への参戦が決定致しました!不肖、稲垣でございます。

ロードバイクの楽しみ方はサイクリストの数だけあるのですが、「どうせやるならレースまで」というのも真理かもしれません。そんな皆様からビギナーさんまで、知っておいて頂けると面白い。お節介な企画第三回はロードバイクの完成車価格を決定する要素でもあります、コンポーネントセットのお話であります。またも長文になりそうですが、よろしくお付き合い下さい。


シマノの総合カタログより コンポーネントセットの一例

コンポ







① 「そもそもコンポーネントセットって何だっけ?」

コンポーネントセット、略して「コンポ」とも言われます。メーカーによっては「グループセット」とも言われます。自転車を構成する部品の中で操作系、駆動系、制動系をなす部品群のことを指します。簡単に言えば、自転車からフレームセットとタイヤ周りとハンドル周りとサドル周りを除いて、残った細かい部品達のことです。

主要な操作系部品であるデュアコントロールレバー、制動系部品を成すブレーキセット、駆動系部品の、クランクセット、カセットスプロケット、チェーン、変速機などで構成されています。

現在、日本のシマノ、イタリアのカンパニョーロ、アメリカのスラムの3社が主要なコンポーネントセットのメーカーとなっており、「コンポ3大ブランド」を形成しています。

各社とも5~6種類のコンポーネントセットを販売しており、競技用の高級品からビギナーさんが買いやすい廉価品までグレード分けされています。


シマノのSTIレバー(デュアルコントロールレバー)の例 グレード毎に形に違いがある

ティアグラ









ソラ









② 「コンポのグレードって実際どうなってるの?」

シマノのロードバイク用コンポーネントセット達を例に挙げてお話させて頂くと、以下のようなグレード分けになっています。

2016年型 シマノロード用コンポ(価格順)

9000系 デュラエース(プロ競技向け)
           ↑
6800系 アルテグラ(競技向け)
           ↑
5800系 105(ミドルグレード)
           ↑
4700系 ティアグラ(高級普及モデル)
           ↑
3500系 ソラ(廉価版普及モデル)
           ↑
2400系 クラリス(廉価版普及モデル)


グレード毎の違いは動作精度、耐久性、軽さの3点で、高級な物になる程ブレーキや変速機が滑らかで精密に機能し、軽いということになります。シマノの場合は特に上位機種のデュラエースとアルテグラが自転車競技の現場での使用を前提に作られており、秀逸な動作制度と耐久性を発揮します。

それもあって、「乗り手の基礎体力に応じたコンポ選びができる」と解釈しても差し支えありません。

スポーツ用自転車、特にロードバイクを完成車で購入する場合、価格の決まり手が組み付けられているコンポーネントセットのグレードになることも多いです。

しかしながら、こうしたグレード分けには実際に使ってみないと分からない使用感の違いといった数値化できない性能が多く反映されています。高価な製品は高性能で廉価なものは劣悪な性能といった単純な話にはあまりなっていません。

コンポーネントのグレードのミソは低グレードの物が価格とイメージ以上に優秀ということです。

サイクリストそれぞれの懐事情に応じて製品を選べる所にグレード分けの意義があります。


シマノのハイエンドモデル デュラエースのSTIレバー カバーに使われている合成樹脂が特製で滑りにくい これは数値化できない性能

デュラ









③ 「最近流行の電動変速ってそんなに良いの?」

言わずもがな、我が国日本は工業製品大国であります。自動車から白物家電まで枚挙に暇がありませんが、そうした技術でロードバイクをもっと楽しく…という時代がやって来ております。

シマノから「Di2」というブランド名で発売されております。ロードバイクの変速機を小型の電池モーターで作動させるようにしたコンポーネントセットで、従来のシフトワイヤーを用いた機構では不可能だった変速の早さと精度を実現させました。同様のものが、カンパニョーロからは「EPS」、スラムからは「e Tap」というブランド名で発売されています。ここ2~3年で定着した感があります。

従来の変速機との違いをまとめると…

・自転車競技においては「テクニックのひとつ」とされていた自転車の変速動作がボタン操作ひとつだけのワンタッチに サイクリストのテクニックにもメカニックの整備技術にも左右されずに最善の変速精度を実現

・自転車で最も傷みやすい消耗品であるシフトワイヤーを必要としない機構 限定的ながらメンテナンスフリーを実現

・シフトワイヤーが要らなくなったことでフレームに組み付けるワイヤー配線の簡略化が可能に 自転車の見た目をスッキリしたスマートなものにできる


これら主だったメリットだけを考慮しても価値ある技術革新と言えるでしょう。我々アマチュアサイクリストの「自転車で走る楽しさ」をに貢献してくれる機材です。自転車の仕事をする者としても「そんなに良いの?」と聞かれたら「ホントに良いです」とお答えできる製品です。

ただ、唯一のデメリットとしては精密電子機器を用いているため、転倒などで破損した際の応急修理が難しいという一面があります。そのせいでプロ自転車競技の現場では使用をためらう声もあり、スイスのスパルタ戦士やんちゃなナイト様といった「実はDi2嫌いなんだよネ…」と表明するトップアスリートもいます。

好みの問題はあれど、電動変速の意義は「使用感の軽快さ」であります。一定の保守管理(電池のマメな充電など)をした上で使用であれば十分に魅力的な機材です。ロードバイクの数値化できる性能や価格は理屈で何とでも言えますが、「機械を扱う楽しさ」は理屈ではありません。


アルテグラと105はSTIレバーの形状が基本的にデュラエースと共通 コストパフォーマンスは高い

アルテグラ









105









④ 「結局、賢いコンポーネントセット選びってあるの?」

前述の通り、低価格の製品が劣悪というものではありません。まずは予算に応じて選んでみる。使ってみて不満があればその部分をカスタマイズ。がお勧めの選び方になります。

ミドルグレードのコンポーネントセットを買ってみて、使ってみてもっと良い物が欲しいと思った部品だけグレードアップ。そうした「混合セット」化も使い方としてはアリです。同メーカー、同規格の製品であればグレードまたぎの組み合わせも可能です。

好きになれる機材、納得して投資できる機材を選ぶことができたなら、それは満足できる買い物ではないでしょうか。



以上、私がお話できる範囲でコンポーネントセットについてのウンチクを展開させて頂きました。長文にお付き合い頂きありがとうございます。

やはりコンポのことが少し分かっても自転車選びが変わるかというと、そうでもないと思います。お馴染みの「そういう目で見ると自転車の部品は面白い」くらいの参考情報としてご活用下さい。

今回コンポーネントセットの話をさせて頂いたということは、あのメーカーにも触れておかないと…というのがこの仕事をする上での姿勢というものです。という訳で、ビギナーさんを応援したいお節介な企画、次回はイタリアのアレを紹介させて頂こうと思います。

当店では以前から取り扱っていたのですが、情報発信はあまりできていませんでした。なのでシマノやスラムにはない特徴や独自の魅力に触れていきたいと思います。本ブログのタグ、「ビギナーさんに耳より情報」にご期待下さい。



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2016.02.10 | ビギナーさんに耳より情報 | トラックバック(0) | コメント(0) |

こんにちは!二台目のロードバイクを買う際、それはもう葛藤がありました。古き良き金属フレームと「現実問題」のカーボンフレームの間で揺れております。不肖、稲垣でございます。

ハイ、始まってしまいました。ビギナーさんを応援するお節介な企画、第二回の本日はロードバイクのフレーム素材のお話でございます。各素材の特徴とそもそも論を簡潔にまとめていきます。皆様の自転車選びのお役に立てれば之幸いではありますが、「そーいう目で見るとロードバイクは面白い」くらいの位置づけで気楽にお付き合い下さい。

尚、フレーム素材の詳しい種類(カーボン素材や金属パイプの規格)については話し出すと収拾が付かない程長い話になるので割愛致します。ご容赦下さい。


① 百花繚乱のカーボンファイバー

現在の主流であるカーボンフレームの素材です。F1マシンや飛行機、宇宙ロケットまで幅広い分野で使われる工業製品でもあります。いわゆる炭素繊維強化プラスチック成形の仕方でその特性にバリエーションが生まれます。強度があるのに軽いという意味で工業製品を作る上での理想の素材とも言われます。まとめると…


とにかく軽量 自転車競技におけるペダリングの効率化(疲労軽減)に大きく貢献

特性にバリエーションがあり、「剛性特化」(競技向け)と「振動吸収特化」(ロングライド向け)と「良いとこ取りのミックス」を選べる

・成形の自由度があり、空力性能に特化したエアロロードなど、個性的なデザインの車体が選べる


例えばクォータのキラル

カーボン車







2015年型 クォータ キラル

キワどい造形のヘッドチューブ~トップチューブ

造形








マッチョなBB周りの造形

キワドイ









単純なパイプとパイプを繋げた形状から発展した多彩な形状を造り込めるのがカーボンフレームです。そして軽い。スポーツ用品としての戦闘力に秀でた素材です。市民レーサーを志す方にとっては現実的な選択肢となります。

また前述のように好みや用途で特性を選べるという所もメリットです。レースありきではなく、気楽にロングライドできる車種があるというのもカーボンフレームの魅力です。

ハイ、それがあって私はカーボンフレームを買いました…。

デメリットがあるとするなら、比較的高額な事と、極限の強度を求められた時(事故に遭った時など)に金属フレーム程の強度が求められない事になります。



② 質実剛健のアルミ合金

カーボンフレームと並ぶ主流であるアルミフレームの素材です。現代の工業製品の世界における最もポピュラーな合金のひとつでカーボンファイバー以上に広い分野で活躍しています。

強度と軽さと生産コストの安さをバランス良く兼ね備えた素材であり、現在のスポーツ用自転車の世界において最も普及したフレーム素材です。日本にスポーツサイクリングブームをもたらしてくれた立役者と言っても過言ではないでしょう。ジャンルを問わず、ビギナーさん向けエントリーグレード完成車の多くがこの素材を使ったフレームでできています。まとめると…


カーボン素材程ではないが軽量 やはりペダリングの効率化(疲労軽減)に貢献

比較的安価 上質な製品が意外なお手頃価格で手に入ることも多い

頑丈 金属フレームの面目躍如と言わんばかりにもしもの時の破損のリスクは少ない


例えばコーダ―ブルームのファーナSL

アルミ車







2015年型 コーダ―ブルーム ファーナSL

金属フレームならではの溶接面 こうした工作と仕上げはメーカーの腕の見せ所で車体の個性

溶接面









私のビギナー時代の愛機もこのアルミフレームです。転倒を怖がらずに使える強度と安さ、そして流通量から考えてもビギナーさんにとっての現実的な選択肢と言えます。

デメリットがあるとすれば、非常に硬い金属なので振動吸収性にイマイチ欠ける事(ただしホイールとタイヤ次第で克服可能)と保守管理をしないとアルミの腐食による劣化を免れない事になります。

アルミの腐食による劣化については実際注意が必要で、スポーツ用自転車は屋内保管が必要とされる理由がそこにあります。水分や埃はどうしても苦手と思って下さい。



③ 温故知新のクロームモリブデン鋼

「クロモリ」の愛称で自転車界では広く親しまれています。鉄をベースとした合金でロードバイクの世界では最も伝統的な素材です。1990年代初頭まではフレーム素材の主流でした。が、後述のあるデメリットによってその座を失う事になりました。しかしながら古き良き物を愛する伝統指向のサイクリストからは根強い人気があり、今でもその魅力を失っていません。

また、「古き良き物を新しい技術で」というコンセプトで作られたモダンなクロモリフレームも各メーカーから発表されています。今でも進化を続けている温故知新のフレーム素材です。まとめると…


鉄の性質である「粘り」をもったフレーム素材  最も振動吸収性に優れ抜群の快適性を発揮する

・フレームの構成要素であるパイプを細くできる 非常にスリムかつスタイリッシュな形状のフレームにできるためファッション性が高い

アルミ合金と並び立つ頑丈さ 秀逸な強度を誇り並大抵の事ではフレーム破損を起こさない


例えばチネリのスーパーコルサ

クロモリさん







2016年型 チネリ スーパーコルサ

今では「クラシカル」とか「伝統的」とか「ノスタルジア」などのフレーズと共に語られるフレーム素材となりましたが、その魅力には捨てがたいモノがあります。

ハイ、私が次に買うフレームはクロモリになると思います。シブくてカッコ良いクロモリフレームで肩肘張らずにロングライド…良いですよネ。

そんなクロモリをフレーム素材の主流から追い落としたデメリット、それは…カーボンファイバーやアルミ合金程軽くできない事でした。

原料が比重の重い鉄という事で避けられない宿命だったのですが、ロードバイクは本質的に競技用機材です。故に比較的重いという事実は致命的でした…。

しかしながら、あの太陽王がツール・ド・フランス5連覇の大偉業を成し遂げた時の相棒はピナレロのクロモリフレームでした。完成車重量は9.0kg。軽さだけがロードバイクの価値なのか?と言われるとそうとも言い切れません。

クロモリフレームの是非。それはサイクリストの数だけ答えがあります。



④ 永久不滅? 色即是空? チタン合金

ふた昔程前に流行しました。現在ではロードバイクのフレーム素材で最もマニアックな代物の地位を揺るぎない物にしています。軍需産業にも利用される高性能合金をスポーツ用品にも活用しようという大胆な発想のもと作られました。流行したものの定着しなかったのは後述の唯一にして最大のデメリットによるところだったのですが…トンデモなく優秀な性能を秘めた素材です。まとめると…


・カーボン素材程ではないが軽量 アルミフレームと並び立つ軽さ

・クロモリと並び立つ秀逸な強度 破損を心配せずに使い倒せる

・クロモリ程ではないものの優秀な振動吸収性 非常に快適な乗り心地

・チタンは地球上で最も腐食しにくい金属のひとつ 故に最高の耐腐食性を発揮 一生モノにできるフレーム


例えばジオスのチタニオ

ちったん







2016年型 ジオス チタニオ

分かりやすく言えば「カーボンとアルミとクロモリの良いとこ取り」です。欠点らしい欠点が見当たらないフレーム素材になります。現在のロードバイクにおけるカーボン素材と並ぶ理想の素材と言い切って差し支えないでしょう。唯一にして最大の欠点を除けば。

結局これがあってマニアックな素材とされる事になりました。原料のチタン自体が希少金属でトンデモなく高価な上に製造できるメーカーが少ないのです。早い話が「優秀な製品なんだけど凄く高い上にあんまり売ってない」というわけです。

チタン合金の事を勉強してみると前述の軍需産業に利用されてきた物騒な歴史に行き着きます。宇宙工学すら利用したトンデモ戦闘機に使われいたり、保有する事すら罪深い最終兵器に活用されたりと、マニアックな逸話に事欠きません。そんな所で使われてたら希少な物になるのは自明の理です。チタンフレームを得意とするメーカーにアメリカのメーカーが多いのはその辺りの事情があるのかも知れません…。

そんなわけで、トンデモなく優秀でトンデモなくレアなフレーム素材がチタン合金です。

ハイ、正直お金があったら乗ってみたいものです…。




以上、寡聞にして文才もない不肖、私によるフレーム素材のお話でした。ざっくりと言いたい事を言ってみた次第ですが、長文にお付き合い頂きありがとうございます。

ご覧の通り長文にはなりましたが、目指すところは単純で、皆様のロードバイク選びのお手伝いであります。フレーム素材に詳しくなったところでどうという事はありませんが、前回に引き続き「そういう視点で見るとロードバイクは面白い」という小話と思ってお付き合い下さい。完成車価格に反映されない車体ごとの良さを発見するお手伝いができれば幸いです。

というわけで、ここまできたらケジメがあります。ビギナーさんを応援するお節介な企画、次回は「ここまで来たら語らせて下さい コンポーネントのそもそも論」を予定しております。本ブログのタグ「ビギナーさんに耳より情報」をよろしくお願い致します。



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2016.02.01 | ビギナーさんに耳より情報 | トラックバック(0) | コメント(0) |

おはようございます!私が初めて手に入れたロードバイクはアメリカ三大メーカーの一翼の手によるアルミフレームの完成車でした。当時のロードレース界は某剛腕さんによる我が世の春…。彼と手下達が駆ったあのバイクがとてもカッコ良く見えたのが今でも青春の思い出です。

いつまでもミーハーなロードレースファン、不肖、稲垣でございます。

前述のアルミフレーム、特に高価でも特に高性能という訳でもありませんでしたが、10年の長きに渡り私の休日の相棒を勤め上げてくれました。彼女(?)と私の幸せな出会いがなければ今ここでこんな事を綴ってはいなかった。それは間違いありません。また、現在の愛機を自分の中での理想の一台にできたのも最初の愛機から多くを学べたからであります。

当店をご利用頂くお客様方(特にビギナーさん達)にもそんな理想の一台との幸せな出会いに恵まれてほしいという願いから、このお節介な企画を始めさせて頂きました。よろしくお付き合い下さい。


さて、黎明期はホントにマイナースポーツだったスポーツサイクリングの世界もロードバイクブームのお陰で世間に認知されて来た感のある今日この頃です。そんな中、ロードバイクを買いたいという皆様(特にビギナーさん)から次の様な声を聞くことが多くなりました。

「ロードバイクって色々あり過ぎてどれを選んだら良いか分かんな~い」

「メーカーも車種もたくさんあるけど、どんな特徴があるの?」

「やたら高価な物もあるけど~何が違うの?」

ロードバイクの多士済済、ここに極まれり。「混乱させてごめんなさい」の一言に尽きます…。しかしながら、そうした問いにビチっとお答えするのが我々のお仕事であります。

というわけで、突如始まったお節介な企画、第一回の本日は「フレームから読める? ロードバイクの特徴」でございます。



①「ジオメトリってよく聞くけどそれって何?」

ビギナーさんが初めて覚える自転車専門用語はフレームサイズだと思います。ジオメトリはそれと関係の深いもので、「自転車のフレームを構成する各パイプ」「それぞれの寸法」です。

ジオメトリ表の一例
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洋服や靴にサイズがあるのと同じです。自転車の各部サイズ表と思って頂いて大体差し支えありません。重要なものはシートチューブ長(ペダルの付け根~サドルの付け根の距離)、トップチューブ長(サドルの付け根~ハンドルの付け根の距離)、リーチ(実際のハンドル~サドル間距離)の三つです。最低限この三つが乗り手の体格に合えば自転車とサイクリストのフィッティングはOKという事になります。

身長が165cm以下の小柄な方と身長が185cm以上の大柄な方にとってはこれらが重要な意味を持ちます。ご自身が乗れる自転車を見つけて貰う上での指標になります。

しかもこのジオメトリ、その特徴がそのまま自転車の特徴になるというものでもあります。分かりやすく言えば、ロードバイクはジオメトリの特徴によってキャラ属性が付くということです。


②「ロードバイクはジオメトリの特徴でキャラクターが付く…だって?」

正確に言えばフレーム設計の特徴でキャラ付けされます。それでも、このあたりが読めると「どんな乗り手に向いているのか」「どんな乗り方のために作られているのか」を分かりやすく見分けることができます。

オーソドックスな形 ロードレーサー

最も古典的なロードバイクの形式です。クラシカルなクロモリフレーム車は殆どがこれ。多くのカーボンフレーム車もこれらの子孫です。「オールラウンドもモデル」とか「ヒルクライム向け」などと宣伝されることもあります。

例えばジオスのグレス
グレス







2016 ジオス グレス

よく見かけるロードバイクの形だと思います。これが基準を思って頂いてほぼ差し支えありません。



空力特化の平地の雄 エアロロード

ロードレーサーが「平坦な道を高速で走る」ために進化した形です。カーボンフレームの普及によって成立した形式と言えるでしょう。カーボン素材の成形の自由度を生かしてフレーム各部を流線形にしました。そのためフレームが作り出す空気抵抗が軽く、高速を出しやすくなっております。

例えばメリダのリアクトシリーズ
リアクト4000







2016 メリダ リアクト4000

最近流行してるかも?なロードバイクの形だと思います。扁平形状のシートポストが分かりやすい特徴ですね。トップチューブが長く、ヘッドチューブが短いフレームが多いです。サドルからみたハンドルの位置が遠くて低いのが特徴になっており、空気抵抗が軽くなる深い前傾姿勢で走りやすいフレーム形状と言えます。

競技志向なフレームの作り方なので硬いカーボン素材が使われたフレームが多く、長距離を低速で走るのが苦手な傾向にあります。



快適性に特化した週末の相棒? エンデュランスロード

ロードレーサーが「長距離を快適に走る」ために進化した形です。競技志向と言うよりは「肩肘張らずにツーリングを楽しむ」ために作られています。トップチューブが短く、ヘッドチューブが長いフレームが多いです。サドルから見るとハンドルは近くて高い位置に来ます。体を起こし気味にした楽な姿勢で走りやすい形状です。

例えばウィリエールのGTR
GTR.jpg







2015 ウィリエール GTR

エアロロード同様、現在流行している形状です。やはりカーボン素材の恩恵を受けたものが多く、振動吸収に特化したカーボン素材で作ることで快適性を向上させています。加えて、各メーカーのエントリーグレードから出ております、ビギナー向けのアルミフレーム完成車の多くがエンデュランスロードの特徴を持つ形で作られています。それだけビギナーさんにとっては取り回しやすい形でもあります。

また、エンデュランスロードの特徴を持ったロードレーサーも厳密に言えば存在し、高価な物はレースでも通用する戦闘力を発揮します。

「ロードレーサー」、「エアロロード」、「エンデュランスロード」、現在流通しているロードバイクはほぼ全て、これらのどれかの属性に当てはまります。



③「ジオメトリが分かるとロードバイクの特徴が分かる…ということは…?」

ビギナーさんの自転車選びが楽で楽しくなります!

…と言い切れたら良いんですけど。お客様方にとっては趣味の世界、好みがあります。最低限フレームサイズとデザインで気に入った一台と出会えれば納得の買い物ができるのではないでしょうか。

今回の長~い小話は参考情報として使って頂きまして、「そういう視点で見るとロードバイクは面白い」というノウハウにして頂きたく思います。



以上、突如始まったお節介な企画、長文にお付き合い頂きありがとうございました。

始めてしまった以上、ケジメがあります。サイクリストと自転車の幸せな出会いを応援するべく、不定期更新していく所存です。本ブログのタグ「ビギナーさんに耳より情報」をよろしくお願い致します。

本当にお節介ですが、次回は「今更だけど語りたい フレーム素材のウンチク」を予定しております。



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2016.01.29 | ビギナーさんに耳より情報 | トラックバック(0) | コメント(0) |